2021-01-05から1日間の記事一覧

河井酔茗傑作詩篇 3

薄暮 薄くらき畳の上に 落としたる簪白薔薇 黄昏を拾ひもささで 吾思ひ、衿に埋む うづくまるならひとなりて 古き柱、人になづきぬ。 知らず、吾亂るる袖を ほの白き手に押へたり。 幻覺を胸に映して 吾想ふ世こそ描け、 待たばとて徒らなるを 少女の身、朽…