2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

酔茗傑作選7

火の色 深海の底に沈める 室の氣は重げに落ちぬ 微なる人の寢息は おぼめきぬ。 花のランプ 宵のままかがやき燃ゆれ 油吸ふ力をこめて またたくや火の葉はあへぐ。 今、外は暁闇の 星宮に残れる光 うすれゆく眼路の極みに 見うしなふ。 薄ら明 光こそ地には…

酔茗傑作選6

美食地獄 お前は、 美しい言葉の作り手。 お前は、 美しい言葉の寄贈者。 お前は、 美しい言葉の番人。 お前は、 美しい言葉の彫刻者。 お前は、 美しい言葉の生贄。 お前は、 美しい言葉の猟人 お前は、 美しい言葉の種子播く人。 お前、 何うしても美食地…

日夏耿之介の『明治大正詩史』(増補改訂版)から

河井醉茗についての評言を引いてみたい。結構、ぼろくそにというか酷評ですね。 「巻ノ上」から P,186 醉茗は温情の人、真摯の性で、その詩もほゞその愿款の衷情を吐露する事に成功しつひに一方の代表者となったが(代表者であるが必ずしも盟主ではなかった…